2012年3月2日金曜日

カントール

集合論の創始者カントール(1945〜1918年)の生涯に
ついては、

アミール・D・アクゼル『「無限」に魅入られた天才数学者たち』青木薫訳、 早川書房、2002年

に詳しい記載があります。私自身はカントールに関する情報はこの本以前は、
あまりなく、現代数学の基礎である集合論を苦労して創り上げた人物で
あること、また精神を病んで、最後は病院で亡くなったことくらいしか、
知りませんでした。
この本によると、元指導教官のクロネッカーによるハラスメント等を
通して次第に精神的に追い詰められ、精神的に崩壊してゆく彼の
様子がわかる気がします。その精神崩壊の鍵になったのが
「連続体仮説」
と呼ばれる問題であることも興味深かったです。
カントール自身はこの本質的に答えのない問題(1960年代に
コーエンによって連続体仮説は否定も肯定も出来ないことが証明
されています)に死ぬまで取り組み続け、このストレスが
精神崩壊の引き金になったと言われています。

精神的にぼろぼろになったカントール自身は数学をやめることを
希望していました(政府や大学に数学科の教授以外の職につけ
るように願い出ていました)が、まるで本人のものとは関係の無い
力が働いているかのように連続た仮説から離れることが最後まで
出来なかったのです。