皆さんおはようございます。いまこうして皆さんの姿をまたみることができてとても嬉しく思っています。
ところで、先月3月20日の終了式で先生はmRNAワクチンを開発したカタリン・カリコ博士のお話をして、博士のお父さんが肉屋さんにお話に繋げて、エッセンシャルワーカー(:本当に大切な仕事をしている人たち)というお話をしました。
今日もまたコロナに関係したことをお話ししたいと思います。
3年間、私たちはコロナウイルスの影響に苦しんできましたが、カリコ博士の研究やその他の人々のおかげで現在はコロナの収束が見え始め、コロナ以前の生活が戻ってくるんじゃないか、と期待されています。ただし、先生はこれからもいろいろ嫌なことが起きるんじゃないか、と心配しています。
ちょっとコロナ流行が始まった頃のことを思い出してみます。そこで、先生がすごく気になったことがあります。それはエッセンシャルワーカーと同じ頃に話題になった「自粛警察」という言葉です。コロナ流行が始まった頃、政府は私たちに「家に閉じこもって外に出ないようにしてください」と呼びかけました。このように家に閉じこもることを「自粛」といいますが、その頃、自粛警察と呼ばれる人々が現れました。彼らは街に出ていって、自粛をしていない人を写真に撮ってネット上で晒し者にしたりしました。きっと自分たちが正しいことをしていると信じていたのでしょうが、自粛警察人たちがコロナが広がる原因になりかねなかったり、実際には迷惑なだけで、効果はなかったとされています。
なぜ自粛警察のような人が出てきたのでしょうか?いろんな意見があると思いますが先生が「そうだよね」と一番思うのは、
人間は自分の理解できないことが起きるのが我慢できない、という性質を持っている
というのです。そして自分の理解できないことに不安になった時に無理矢理理由をつけようとするのです。
特に弱い人を攻撃することで安心しようとする人が出てくるようです。
そのようなことで起きた悲劇を紹介しますね。14世紀のヨーロッパでペストという病気が大流行してたくさんの人が亡くなった、ということがありました。(*)当時はウイルスについての知識もなくてなぜ人々が次々と死んでしまうのかわかりませんでした。そんなことに不安になった人々はこの病気の原因を無理やり探そうとしました。その頃、ユダヤ人という人たちは、彼らの信じてる神様の教えに従って体を清潔にしていたのでペストにかかる人が少なかったのです。そこで「ペストはユダヤ人が毒をばら撒いたのが原因だ」という噂が広がり、多くのユダヤ人が虐殺されたと言われています。
(*) https://www.y-history.net/appendix/wh0603_1-090.html
本当にいたましいことです。さてここで話は変わりますが、ここでマスクについて考えてみましょう。今政府はマスクについては、「どうするか自分で考えてください」といっています。だから今は「もうマスクはほとんど必要ない」という人もいれば「まだまだマスクは必要」という人もいるでしょう。実際にには病気や体質でマスクをしなければいけない人もいるでしょう。マスクをするかとるというのは「これが正しいという答えがない問題」なのです。このような問題のことを「正解のない問題」といいます。自粛警察のような人たちはこのようなこと、つまり「正解のない問題」があるということが不安でしょうがないのだと思います。
ところで、今朝先生は学校に来る途中で電車の中でマスクをしていない人たちを見かけたんですが、その時にちょっと「イラッ」とする感じがしたんです。先生は、この時ふと自分も自粛警察と同じになっているのかもしれない、気をつけなければいけないと思いました。
周りを見回してみると、今の時代は「正解というものがない問題に囲まれた時代」であることがわかります。例えば、「幸せになるにはどうしたらよいか」や「地球の環境を守るのはどうしたらよいか」というのも正解のない問題ですね。このような時代には何が必要だと思いますか?
先生は、皆さんが毎日のようにしている「おたずね」が大切だと思います。おたずねを通して相手の言っていることをきちんと理解すること、そして「おたずね」の相手をもっと広げて社会のこと、病気のことなどに対する正しい知識を知る力だと思います。そして皆さんがその力を持っていると思っています。
さあ新しい学年が始まります。みんなで一緒にしっかり考えて良い道を探していい一年にしましょう。