2012年4月12日木曜日

量子力学とテレポテーション(2)


1935 年にアインシュタインはポドルスキー、ローゼンと共に量子力学の
刺客としての最後の論文を発表しました。今日「エンタングルメント(絡
み合い)」と呼ばれている現象について書かれたこの論文は光速を超える
速さで情報を伝達できる可能性について述べていました。当初「アイン
シュタイン‐ポドルスキー‐ローゼン(EPR)のパラドックス」と呼ば れたこ
の現象をもってアインシュタインは量子力学には不備があると主張した
のです。

この論文 について知らされたボーアは激しく動揺したということですが、
すぐに彼は全力で 反論を試み、物理学の大勢としてはこの論争は最終的
にボーアが勝利したと言うことに 落ち着いたようです。

ところが 1960 年代に入ってベルが「EPR のパラドックス」が決してパラ
ドックスではなく実際に起きうる現象であることを注意し更に 1970 年代
にはいってエンタングルメントは実験室で観測できるようになったのです。
結局アインシュタインは EPR の論文の中で、本人の意思に反して、正し
いことを主張していたのでした。(なお 1997 年にはエンタングルメントを
利用してある粒子の状態を遠く離れたところに転送する「量子テレポテー
ション」の実験も成功しているとのことです。量子力学の研究は私の想像
力をはるかに超えた速さで進展しているようです。)