学生時代から物理は苦手でコンプレックスを持っているのですが、最近
少し思うところが あって量子力学の勉強を始めました。実際にはとりあ
えず量子力学に関する通俗書を買いあ さって読み散らかしているだけな
のですがこの類の本にも質の高いものがたくさんあって、楽しませて
もらっています。
例えば 1927 年頃からアインシュタインとボー アは量子力学の正当性に関
する論争をくりひろげていました。これについては、以前は「量子力学の
発展にについてゆけなくなったアインシュタインが量子力学にけちをつけ
続けた」と言っ た程度に思っていたのですが、事実はかなり違っているこ
とを知ることができました。
このアインシュタインとボーアの論争は主にソルヴェイ会議の場で行われ
たのですが、その様子を生き生きと描写した記録が残っています。ある時
アインシュタインは光子(光の最小単位である粒子)が入った箱を一瞬開け
て光子が一個だけ外に飛び出すような実験装置を提案しました(もちろん
これは議論のために考えた思考実験のためのそうちですが)。そして光子
が箱から飛び出したかどうかはこの装置の質量を計れば確実にわかるが、
これは量子力学の主要な帰結である不確定性原理に反する、と主張した
ということです(このあたりの議論になるともはや私にはついていけませ
ん)。ボーアはこれに対して光子が箱から飛び出すことによって重力場に
ずれが生じる(これはアインシュタインの相対性理論の帰結です)とがこのず
れが箱の質量の決定に対して不確かさをもたらす、と反論し・・そして
アインシュタインはこの反論を受け入れたということです。