大正から昭和初期に活躍した画家佐伯祐三は
30年ほどのその短い人生の間に、数多くの
作品を残しています。その荒々
しいともいえる大胆な筆使いで、超スピードで
仕上げた、パリの風景を切り取ったような
作品が代表的です。
その代表作はほとんどパリで描かれたもの
ですが、パリに行く前の画風は、印象派的な
淡い色使いの優しい感じのものでした。しかし
初めてフランスに行き、大家ブラマンクに自分
の作品を見せたところ、徹底的に批判され(罵倒
され)たのでした。かれは、この時に事にショックを
受けまたこれを機会にその作品は全くその様相を
変えます。彼自身の絵に取り組む姿勢も全く変わり、
とりつかれたように絵に向かうようになった、
ということです。その姿はまるで荒行のようでも
あったそうです。彼の健康を心配した、友人たちの勧
めで一旦日本に帰ったものの、日本の生活に満足
出来ないかれは自分を追い立てるように、再び
パリに向かい創作を続けます。しかし、やがて
結核が悪化、また精神的にも不安定になり、そして
精神病院に入院、最後は一切の飲食を拒み衰弱死し
ました。
彼のことを知る人は
「あの呑気者だった佐伯が、狂気の中に傑作を
重ようになるとは。芸術の奥深さ、恐ろしさを感
ぜずにはいられない。(うろ覚えですので正確な
言葉ではありません)」
と言っています。