数学者をめざしたいという君に私から一言アドバイスをしたいと思います。
まず数学の現状についてですが、私は、
今現在、数学は、すこし前進の速度を落として、過去を振り返って、
これまでの成果に対する整理をすべき時期にあるのかもしれない
と感じています。数学は20世紀に大きくその研究対象を拡大しました。
19世紀までは初等幾何学、そして方程式の解法に関する代数学そして
物理学と結びついた解析学が数学のほとんど全ての研究対象でしたが
20世紀に入って数学は微分幾何学、位相幾何学、関数解析学、群論を
始めとする抽象代数学といった、様々な、新しい分野を生み出し、それ
らが更に影響をし合って新しい分野を生み出す、というように,
それまでの2000年以上に渡って生み出したものの何十倍何百倍もの
数学が生み出されたのです。
数学はその各分野で驚異的な発展を遂げ、個々の分野があまりに専門化
したために個人が数学の全体像を捉えることはもはや不可能になってし
まいました。このままでは数学はそれぞれの分野が全く独立に発展して
全体として発散してしまう・・・そのような恐れがあると思います。
数学の研究はこれからどんどん変わっていく、と言いますか、変わって
いかなければならないのだと思います。