学問の世界で間違った結果を発表するのは気まずいも
のです。特に、数学のように純粋に理論的な世界では、
それは「自分の能力不足の証拠」を公開している気分
になるものです。私達はこの問題点を修復しようと必
死になりました。ただ、経験的に言えることですが、
このような冷静さを失った精神状態で仕事をしても、
有益な結果が出ることはあまり無いようです。この時
も、しばらくもがいた後に結局、方針を変更して議論
の設定を根本的に変更することにしました。このよう
に書くとあっさりと考えを変えたように聞こえますが、
この決断をするのはかなり難しかったように記憶して
います。実際のところ私自身は「私達の論文はQ先生
達の論文とほとんど同じ内容になってしまう」と感じ
ていましたが・・・とにかく私達はQ先生の論文を参
考に自分たちの手法を書き直す作業に入りました。
ところが、実際に作業を始めてみると、それまでの間
違った証明の考え方も含めて、研究に関連して調べた
他の論文の結果などがきれいに一つの証明に収束して
いったのです。早速論文をQ先生、Zさんにお送りしま
したところ、今度はZさんから「すばらしい」という
返事が届きました。
まとまった論文の結果は依然としてQ先生の論文より少
し弱いものでしたが、自分たちが到達した議論につい
ては、たとえsecond hand であっても公表する価値が
有るかもしれない、・・・そんな考えも一方で浮かん
できました。
したところ、今度はZさんから「すばらしい」という
返事が届きました。
まとまった論文の結果は依然としてQ先生の論文より少
し弱いものでしたが、自分たちが到達した議論につい
ては、たとえsecond hand であっても公表する価値が
有るかもしれない、・・・そんな考えも一方で浮かん
できました。