2013年2月20日水曜日

理想的な問題

フィールズ賞受賞者の一人である、広中平祐先生が
受賞対象となった「特異点解消」が解決された時の
ことを、語っておられます(「生きること、学ぶこと」
集英社文庫)。

1963年にこの問題解決のためには、まだ大きな壁を
超えなければいけない状態だった先生は、日本数学会
招待され(当時広中先生はブランダイス大学
に所属されていました)、この話題について講演をする
ことにしました。講演の内容はまだ完成していない話題
ですので、問題の設定に色々と条件をつけて、対象を
絞った上で、この場合にはこんな結果がでるから、
本来の特異点解消にはきっと役立つだろう、という
話をされたそうです。

その話を聞いておられた、岡潔先生は講演終了後
真っ先に
「広中さん、そんな態度では、問題は解けません。
問題というのは具体的な形から、どんどん抽象化して
いて行って、最終的に理想的なかたちにすべきです。
理想的になれば問題は自然に解けます。」
とアドバイスをされたそうです。

その後アメリカに戻った広中先生は岡先生の
アドバイスに従って問題を理想的な形にしたところ、
最終的な解決をすることができたということです。